難聴で障害年金が受け取れる場合

文責:弁護士 小島隆太郎

最終更新日:2025年01月07日

1 難聴の障害年金受給

 難聴については、「聴覚の障害」として整理され、障害年金の認定の対象として取り扱われています。

 具体的な等級認定の基準について順番にご説明いたします。

2 認定基準

⑴ 1級

 両耳の聴力レベルが100デシベル以上のもの

⑵ 2級

ア 両耳の聴力レベルが90デシベル以上のもの

イ 身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度のもの

⑶ 3級

 両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの

⑷ 障害手当金

 一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの

3 各等級についての補足

 等級上、聴力レベルが100デシベル以上で1級、90デシベル以上で2級とされています。

 検査方法についても認定基準に示されており、オージオメータ(JIS規格又はこれに準ずる標準オージオメータ)によって測定するものとされています。

 検査にあたっては、500、1000、2000(場合により4000)ヘルツの周波数帯での検査を経て、平均純音聴力レベル値を算出します。

 聴力レベルが数値で示されていることから、基本的にこの数値を満たしていれば、障害年金の等級に該当すると判断できるといえます。

 なお、上記のとおり、障害手当金は「一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度に減じたもの」というややわかりにくい基準になっていますが、認定基準における取扱いとしては、「一耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上」をもって障害手当金に該当するものとしています。

 2級には、「身体の機能の障害が前各号と同程度以上と認められる状態であって、日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度」という基準も定められています。

 一見するとわかりにくい基準に見えますが、こちらについては、単純な聴力だけでなく、最良語音明瞭度の検査結果も考慮され、「両耳の平均純音聴力レベル値が80デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が30%以下」の場合がこの基準を満たすものとされています。

 3級の「両耳の聴力が、40センチメートル以上では通常の話声を解することができない程度に減じたもの」も同様で、2つの場合を定め、「両耳の平均純音聴力レベル値が70デシベル以上のもの」、「両耳の平均純音聴力レベル値が50デシベル以上で、かつ、最良語音明瞭度が50%以下のもの」をそれそれ3級に該当するものとしています。

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